得重聖治はリアリズム絵画(具象画による写実主義の絵画)を専門にする油絵画家である。
リアルな絵画(写実絵画)の魅力は、作家自身の眼差しが直接的に伝わってくる事である。 作品の鑑賞者は、作家の見つめる先にあるその対象物が鑑賞者と作家と同化させ、見る事から「見つめる」という臨場感を感じさせてくれる。具象絵画(具象画)には様々な表現方法があるが、その中でも写実絵画(写実画)は特に現実感(リアリティ)に寄せた表現方法となる。画家の得重聖治はこのリアリティのある表現にこだわりながら作品を作り続けている。
作家はこのように言っている。
「抽象絵画は見る者へ想像力と余白を与え、具象絵画は情報処理だけでは伝わりきれない現実の臨場感という“出会い”と“気付き”を与えてくれる。」
一枚一枚、画家がいま生きている証を込めるかのように作品を描き込んでいく。創造する者の責任として、生み出す物の社会的役割と可能性から自らの妥協を許さない作風が「リアリズム」であると画家は考えている。絵画は画家の人生のリアル。画家の“今”への作法を高覧いただけると幸いである。
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